梨木香歩『この庭に』☆☆☆1/2

 最後まで読んでから判明。しまった、これ、何かの番外編だったか!『からくりからくさ』でしたか?実はこれいまだに積読(汗)。まあ、読んでなくても大丈夫だけど、最後のオチがいまいちわからなくて残念。

 それを差し引いても、とても雰囲気あるファンタジックな小品。絵とショートストーリーのコラボ、という趣。雪景色の、白と黒だけで描かれた挿絵が、物語に独特の間を表現している。たまにぽちりと赤が使われているのがまた印象的。雪に埋もれた静かな外国の田舎町のイメージが、夢と現実の間を漂うような文章と絵から鮮やかに胸に広がり、その冷たい空気までも匂ってくるよう。サーディンやミンクのイメージも強く心に残る。

 ☆3つ半か4つ。この庭に―黒いミンクの話