森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』☆☆☆☆1/2

 なるほど、某氏が書いてたとおり、これは「うる星やつら」だ!

 クラブの後輩女子に一目ぼれした先輩男子が、なんとか彼女とお近づきになろうと四苦八苦。じわじわと外堀を埋めるが、あまりにシャイなので外堀をぐるぐるするばかりの彼。いっぽう、彼女は難攻不落の城、というよりニブすぎますよお嬢さん!(笑)一途な思いは届くのか?果たして彼の、彼女の運命やいかに!

 そこここに散りばめられたオタク用語に爆笑しながら、どんどんおかしくなっていくハチャメチャ世界にどっぷり引き込まれた。話が終わっちゃうのがもったいないほど。ヘンテコキャラが次から次へと出るわ出るわ。さしずめ「李白さん」は錯乱坊か。シャイな彼と、天然ボケの彼女のキャラがめちゃめちゃいい。彼の逡巡がまるで「めぞん一刻」の五代君みたいでなんとも微笑ましく、思わず「頑張れ先輩!」と応援してあげたくなる。

 春の飲み会、夏の古本市、秋の学園祭、冬の風邪、と4章が四季の出来事で彩られている。京都の風情も楽しめて、一石二鳥(?)。独特の文章とそのテンポも秀逸。

 もうとにかくめっちゃ楽しい物語でした。☆4つ半。夜は短し歩けよ乙女