絲山秋子『エスケイプ/アブセント』☆☆☆

 ああ、この方やっぱり、純文学に行くのかな。ちょっと短すぎて、物足りない印象。「エスケイプ」と「アブセント」で対を成している。

 「エスケイプ」は学生運動から政治活動をだらだら続けていて、40になってしまった男性の話。しかし彼は活動から足を洗って、託児所を始める妹の手伝いをすることに。その隙間の1週間の旅。

 「エスケイプ」は逃げることであり、それは「不在」を意味する。やがて、彼のずっと気にかかっていた人の「不在」が物語中で明らかになる…。

 「アブセント」はその不在だった人の話。ここではネタバレになるので伏せておく。

 今回もまたニートなダメ男の話なんだけど、うーん、正直言って「ああそうなんですか…」という感想しか持てない。さらりとしすぎてて、心にひっかかる場所があまりなくて、可もなく不可もなく、というか。絲山さん、できればもっとガツンとしたの書いてくださいませ。お待ちしてます。☆3つ。エスケイプ/アブセント