伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』☆☆☆1/2

 4つの中篇。ひとつひとつの話が短いせいか、「ああ大満足!感動!おなかいっぱい!」というカンジにはならなかったけど、伊坂節を堪能しました。ちょっと気の利いた、軽い食前酒みたいな雰囲気かな。やっぱり彼の小説はなんといっても会話が洒落ててうまいよなあ。

 みんな愛すべきお間抜けキャラで、何度もくすりと笑うシーンが。大好きな黒澤さんが2作も登場してくれてうれしかった~。この2編は彼が出ているので、今までの作品の「番外編」のような印象を受けた。というかこの4編どれもそんな感じか。「動物園のエンジン」は『ラッシュライフ』の河原崎が登場してるし。

 表題作の「フィッシュストーリー」はけっこう好き。外国の短編映画のような、なんともいえぬ洒落たおかしみがある。

 話はどれもゆるゆるとしていて、ストーリーがないぶん(むろんないわけではないが、そういう印象)、彼のエッセンスが凝縮されているともいえる。☆3つ半か4つ。フィッシュストーリー