桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』☆☆☆1/2

 製鉄業を営む鳥取の旧家を舞台にした、女三代の物語。読み始めたら止まらず、先が気になってぐいぐい読んでしまった。しかし、はっきりいって、ものすごーくヘンな話!(笑)もっと真面目な女三代記だとばかり思っていたので。なるほど、完全にエンタメなんだな。そう思えば納得がいく。

 祖母である万葉、母である毛鞠(なんと私と同い年!)、娘である瞳子。この3人の物語が章ごとにつづられる。神話の第一部、激動の第二部、衰退の第三部といったところか。もっとも奇天烈な第二部が一番面白かった。毛鞠のキャラがあまりに破天荒過ぎて、とても自分と同世代とは思えなかったですが(笑)。確かに彼女と生きた時代は同じだけど、なんだかすごく遠い世界だったわ…。たとえば私と同じ世代を描いた森絵都の『永遠の出口』は共感しまくりだったんだけど。や、でもむちゃくちゃだけど仁義は通す毛鞠はなかなか愛すべき人間で、私はとても好きですよ。

 祖母と母親が親の決めた結婚で、子供の瞳子が(おそらく)恋愛結婚、というのは何か象徴的だなと思った。彼女(つまり今20代の女性たち)はこれからどうなるんだろう。彼女の子供から、彼女の人生を描いたらどう映るんだろう。

 まあなんにしても、ヘンテコな話というのが私の印象。うーん、力作だとは思うし読んでてすごく面白いけど、著者は何を書きたかったのかな?時代に飲み込まれる女の生きざま?にしてはちょっと薄っぺらい印象を受けるかな。第三部の瞳子の話だって、もっと深く書けそうな気がするのに。
赤朽葉家の伝説