テーマ:普通小説

高野秀行『アジア新聞屋台村』☆☆☆1/2

 いやあ、非常に感銘を受けました!  読み始めた最初のうちは、この小説ともノンフィクションともつかない半端な感じがどうもすわりが悪いなあと思っていたんだけど、途中でわかった。これ、「小説」と思って読んではいけないんだ。著者の経験を小説形式にしたもので、リリー・フランキーの『東京タワー』のように、半自伝小説みたいなもんなのね。ストーリー…
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絲山秋子『エスケイプ/アブセント』☆☆☆

 ああ、この方やっぱり、純文学に行くのかな。ちょっと短すぎて、物足りない印象。「エスケイプ」と「アブセント」で対を成している。  「エスケイプ」は学生運動から政治活動をだらだら続けていて、40になってしまった男性の話。しかし彼は活動から足を洗って、託児所を始める妹の手伝いをすることに。その隙間の1週間の旅。  「エスケイプ」…
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森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』☆☆☆☆1/2

 なるほど、某氏が書いてたとおり、これは「うる星やつら」だ!  クラブの後輩女子に一目ぼれした先輩男子が、なんとか彼女とお近づきになろうと四苦八苦。じわじわと外堀を埋めるが、あまりにシャイなので外堀をぐるぐるするばかりの彼。いっぽう、彼女は難攻不落の城、というよりニブすぎますよお嬢さん!(笑)一途な思いは届くのか?果たして彼の、彼…
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北村薫『ひとがた流し』☆☆☆☆

 しみじみといい話でした。40代なかばの、学生時代からの友達である女性3人の友情物語。アナウンサーの仕事をしている千波を中心に、その友人2人との交流や、周辺の人々のあれこれを描いている。章ごとに、語り手がチェンジしていく形式。  北村さんならではの、細やかな心理描写がさすが。ホントに著者は男性なのか?と思うほど。繊細な女性心理をよ…
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舞城王太郎『SPEEDBOY!』☆☆☆☆

 もう常人からは手の届かないところへ行ってしまった舞城くん(笑)。もはや、この物語の意味とか、考えること自体無意味。彼は彼の地平の果てを目指して突っ走っている。でもそれでいいと思う。こんなの、他の誰に書ける?  走るのが速すぎて、ジェット機を越えるほどになってしまった成雄の物語。ストーリーなどあってなきが如し。無理やり考えるなら、…
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堀江敏幸『いつか王子駅で』☆☆☆☆

 炭火のような温かさ。現代の、自分より2歳上なだけの方が書いたとはとても思えないシブさ。ぶっちゃけ、じじくさい(笑)。というより、現代に舞い降りた夏目漱石か太宰治か?もはや存在しなくなった、「文士」という言葉がぴったり。明治や大正の香りすら漂う。  もうとにかく文章の上質なこと。最初のページに、なんと「。」が一個もないのだ。10行…
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